2013年4月24日水曜日

危険な分娩介助をなくしたい

もうご存知のかたもいらっしゃるかもしれませんが、今日の報道で病院産科でよくやられているクリステレル胎児圧出法により肝臓破裂して亡くなった産婦のご家族が訴訟を起こされました。
私も長年病院や診療所の産科に勤めていましたが、時々医師の指示で産婦さんのお腹を押したことがあります。馬乗りになってまで押したことはありませんが、それでも危険な行為だと思っていました。
私が2,000年に助産院を開業した理由の一つに、そんな母子共にとって危険な行為をしたくなっかったという事が挙げられます。
自然なお産はママにも赤ちゃんにも優しいものです。お産がゆっくりとしか進まないのには理由があります。赤ちゃんの頭の大きさと比べて骨盤が小さめであるときには、赤ちゃんはゆっくりとしか産道を進めません。骨盤は時間をかけてゆっくりと広がってくれます。赤ちゃんの頭は複数の骨から出来ていて、重なり合うように長細くなってちゃんと狭い産道を通れるようになります。臍帯(へその緒)が体に襷(たすき)がけに巻いている時も、大切な臍帯が強く引っ張られるのを防ぐために陣痛はゆっくりにしか進みません。
胎児心拍数が元気であれば、ゆっくりとママが楽な姿勢で待ってあげれば良いのです。
分娩台の上向き姿勢は、赤ちゃんへ酸素や栄養を運ぶための胎盤を圧迫するので避けたほうが良い姿勢です。
ママが楽で自由な姿勢で過ごすことが何よりも赤ちゃんに優しいことなのです。
医師や助産師の都合でお産を早めようとする事は犯罪に匹敵することだと私は思います。
助産所にも危険なところはあります。(社)日本助産師会は安全対策委員会を設けて、事故を起こした助産院には、お産を休止して再教育を受けるように促しています。
全てのお産が、ママと赤ちゃんの安全と人権を守れるようになっていってほしいと願っています。
新聞記事です↓
http://www.m3.com/news/GENERAL/2013/04/24/170926/?portalId=mailmag&mmp=MD130424&mc.l=11403656

2013年1月20日日曜日

映画「うまれる」上映会のお知らせ

映画「うまれる」は自分たちが 産まれてきた意味や
家族の絆、命の大切さ、人との繋がり、
そして「生きる」ことを考える、 ドキュメンタリー映画です。
 
平成25年1月27日(日)に 映画「うまれる」の上映会と、
大分市と大分県助産師会の共催で
同映画監督豪田トモ氏の 講演会が行われます。
また、映画の中で取り上げられる
18トリソミーの 子どもを持つ親の会
「Team18」による 18トリソミーの 子どもたちのパネル展示も
同時開催されます。
http://www.city.oita.oita.jp/www/contents/1352446796845/index.html

2012年9月6日木曜日

おっぱいっていいね・・。

今日、おっぱいマッサージに行った方は、2人目のお子さんで、今日で生まれて1ヶ月。
おっぱいマッサージ中の「添い乳」風景です。


8日前に初めてお伺いした時は、ミルク100ccを1日に3回足していらっしゃいました。母乳は赤ちゃんが泣く度に与えていらっしゃったのですが、足すミルクの1回量が多すぎたため、授乳(母乳)の間隔が空きすぎて、不自然な授乳(母乳)間隔になっていました。そのため、右の乳房にシコリが出来て分泌も悪くなっていました。授乳量を測ると28gと少なめでした。おっぱいマッサージを行なうと、右の乳房は溜まり乳が多く、乳輪部が硬く、明らかに左の乳房から出る母乳とは乳質も違い(溜まり乳は美味しくない)量も悪く、射乳がほとんどありませんでした。左の乳房より乳首が少し短めであるため、赤ちゃんが浅い吸いをしている事も原因でした。もちろんマッサージでシコリは取れました。
右から先に授乳する事と、深く吸わせる事と、追加するミルクを40ccに減らし、回数を6回位にする事をお話させていただきました。

そして今日、2回目のおっぱいマッサージに伺いました。
赤ちゃんの体重を測ると、前回の体重増加率(1日体重増加)よりもかなり良くて、ママはとっても安心されました。
マッサージの前に母乳を飲んでもらい、飲み方や授乳量を見ます。今日はなんと60gも飲めました。そしてそのまま、すーと寝てくれました。
おっぱいマッサージを行なうと、前回分泌がかなり悪くなっていた右の乳房からもピューピューとおっぱいが飛び出しました。右から先に与え、深く含ませるだけでこんなに乳房の状態は変わるのです。もちろんおっぱいマッサージの効果もあります。左の乳房に溜まり乳が原因のシコリが出来ていたので、今日からは左右交互に(今回の授乳で右→左と飲ませたら、次の授乳では左→右と飲ませます)して頂くようにお話しました。

マッサージの終わり頃に赤ちゃんが泣き出したので、右のおっぱいを「添い乳」しながら、左のおっぱいのシコリを取ってしまいました。
上のお子さんをミルクで育てたので、ママは今日が「添い乳」初体験!そこで私が携帯のカメラでかわいい「添い乳」風景をパチリ!ママに見せると「かわいい~!私からはこんな風に見えないから・・」と感激していただきました。
「添い乳」は赤ちゃんのお鼻を塞がないような工夫が必要です。3ヶ月くらいになると顔も大きくなるので、腕枕で「添い乳」出来ますが、新生児の頃は赤ちゃんの背中にバスタオルを巻いた物を置き、お母さんの腕は赤ちゃんの頭と枕の間に伸ばすか、ママの頭の下に置きます。

上のお子さんはミルク育ちだけど、夜泣きもなく、とっても育てやすかったそうです。でもやはり私達は哺乳動物なので、ママたちは「できれば母乳で育てたい」と思われるようです。
生まれて直ぐから、赤ちゃんとお母さんが一緒のお布団で寝て、赤ちゃんが欲しがる度に母乳を与えれば、誰でも4~5日目には母乳はいっぱい出るようになります。しかし産院によっては、母子同室が退院の前の日だけという所もあり、母乳育児が確立するためには退院してからのママの頑張りが必要になってきます。
そんな時に私達開業助産師は退院して直ぐの方のお宅に伺い、おっぱいマッサージや授乳指導などを行なう事で、スムーズな母乳育児へのお手伝いを行なっています。
安全な「添い乳」の方法もご指導させていただきます。
お腹は一杯なのに泣く時には、「添い乳」が効果的です。母乳育児は、いい加減に、楽をしながら・・が大切ですね。

母乳相談や新生児訪問だけを行なっている助産所も多いのですよ。
(社)大分県助産師会のホームページはこちらhttp://www7.ocn.ne.jp/~yoiosan/

2012年8月28日火曜日

ドラマ「つるかめ助産院」が始まります。

ブログの更新を久しぶりにします。
8月は3人のお産予定があり・・実際は7月31日に2人生まれ、8月23日に1人生まれました。3件とも遠方だったので、お産が終わるまでは心にゆとりが持てず、ブログの事は忘れるようにしてました。
しかし8月のお産は、皆さんそれぞれに素晴らしく、私は今助産師として充実した気持ちに浸っています。頑張ってくれた産婦さんと赤ちゃんに感謝です。
ところで、明日8月28日から、NHKで「つるかめ助産院」というドラマが始まります。毎週火曜日の22時からです。
私もとっても楽しみですが、助産院について知らない人にもぜひ観て欲しいと思います。
「潮の満ち引きとともに、命は自然に誕生する・・・」生命の誕生の意味を、その大偉業を成し遂げていく女性の偉大さを高らかに謳いあげていくこのドラマを、ぜひ大好きな方と一緒に観て下さいね。
http://www.nhk.or.jp/drama10/tsurukame/cast/index.html

2012年6月5日火曜日

おおいた妊娠ヘルプセンターが開設されました。

大分県の事業を、(社)大分県助産師会が委託され、4月18日に開設されました。
http://www.pref.oita.jp/site/sinzidai/hiroba82.html

この事業は、望まない妊娠による、子どもの虐待死を防ぐ目的があります。子どもの虐待死は0歳児が一番多く、その中で出生当日が一番多いのです。それを防ぐのは、望まない妊娠をしない事。そのために、各個人に合った、具体的な避妊方法も指導します。もし、望まない妊娠をしてしまったら、出来るだけ早く相談して欲しいのです。中絶だけではなく、里親制度なども説明し、尊い小さな命が守られる事を一緒に考えて行きます。http://www.pref.oita.jp/site/kosodatenotane/jidoyougosatooya.html
妊娠したけど、親になる事が不安であるとか、パートナーからDVを受けているとか、不倫の結果妊娠してしまったが相手が相談に応じないとか、経済的に不安であるとかの、妊娠葛藤を持っている方はとても多いと思います。1人で悩まず、助産師に相談して下さい。公的機関や医療機関と連携して、解決の道を探っていきます。小さな尊い命を守っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

2012年6月2日土曜日

第68回日本助産師学会で浜文子先生の講演を聞きました。

「抱きなさい 子を」 ~ 浜 文子 ~

抱きしめなさい 子を
育児書を閉じ
子育てセミナーを欠席し

抱きしめなさい 子を
誰にも遠慮せず あなたの子を
しっかりと 抱きしめなさい

抱きしめなさい 子を
母の膝が 子供の愁い(うれい)の
すべてを除く その時代(とき)に

いつか母の膝は 子の悲しみに近づけない
日がやって来る
やがて母の手が 子の涙を拭いてやれない
日が訪れる

きっと来る その日
子が涙を拭う手に
柔らかな記憶の手が重なるように
痛む子の心が
温かな思い出の膝に包まれるように

母よ 抱きしめなさい 子を
もう何もしてやれない日のために
抱きしめる手が 子の未来に届くよう
幾度も 幾度も
抱きしめなさい

母たちよ
やがて別れる者として
あなたの子を 
しっかり胸に 抱きなさい


『 赤ちゃん 』~ 浜 文子 ~
あわて者でもいい
泣き虫でもいい
手先が不器用でも
音痴でも かまわない

もちろん
人が振り向くほどの
美人である必要もない
とりたてて特技がなくても
高尚な趣味も
噂に上るほどの博識も不要

おまけに
学歴
職歴
賞罰
一切不問
そのままのあなたがいい
そのままのあなたが好き

赤ちゃんは そう言いたくて
あなたに両手を伸ばしてくる



講演会は、先生が子育てのカウンセリングをした実体験や、ご自分の育児体験を交えた笑いあり涙ありの楽しいあっという間の1時間半でした。
話の中で、何度もおっしゃっておられたのが
■専門家に頼らない
あなたの子はあなたの子です。データに基づいて存在しているわけではありません。まず、子供をよく見ること、感じること。そこからあなたが感じることが正しい場合がほとんどです。
子供を分析して分類することでプラスの効果が生まれることは、稀です。型にはめてはいけません。
育児書のとおりにならない、と嘆く親が多すぎます。(極端な例として・・・、「いないいないばぁ」を喜ぶ月齢を迎えたお子さんを持つお母さんの実話。「顔が見え隠れするのが楽しくて、それが脳への刺激となり、成長にも良い効果をもたらす、と本にあったけれど1日に何回すればいいのですか?」と聞くお母さんもいたとか・・・!「よろこべばいいじゃないの」と浜先生。)
たとえば、幼稚園に行きたくない・学校に行きたくないと言い出しても、すぐに「不登校」とカテゴライズしないこと。専門家・精神科に頼り薬漬けにしてはいけません。お父さん・お母さんが抱きしめて話を聞くことが解決につながることを忘れないで。

■情ある子育てを
「情」がない子育てをしてはいけません。それは「情けない子育て」です。
「情」があれば、たいていのことは大丈夫!
転んでしまったら、おまじない。すぐに「泣かない!痛くない!はい、絆創膏!」ではなく、なでなでしながら「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んでいけ~」手から伝わる温かさを子供に。

■子供が幼児期の親同士のつながりを大事に
子供は成長すると、心を開かなくなる時期もあります。それは特に親に対して。そんなときに「おばちゃん・おじちゃん」の言葉だと聞いてくれることも実際多いです。ぜひ、このお子さんが小さい時期の親同士のつながりを、長く持ち続けてください。小学校・中学校・高校・・・となるにつれて、成績や進学先や偏差値が付いて回ってくる世の中です。幼稚園くらいまで時代の「髪を振り乱して育児をしている時代を知っている仲」のお付き合いは、「いまさら何を隠しても」というフランクな関係になれます。そんなつながりを、どうぞ大事にしてください。

■お父さんのぬくもりを子供たちに
お母さんとは違う感触を、子供はちゃんとわかっています。
小さいときにお父さんにたくさん触れた子(特に女の子)は、成長したときに安易に異性に肌を許しません。

■子供は誰よりもお母さんが大好き
何をされても(たとえ虐待にあっていても)、子は母を求めます。
カンペキである必要はありません。そのままのあなたが大好きなんです。


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★浜文子

1945年北海道函館市生まれ。
詩人・エッセイスト
教育、育児関連の新聞、雑誌などに記事を執筆しつつ、日本で初めての妊産婦のための専門雑
誌、老人介護誌の編集に携わる。人間の生・老・病・死の現場を取材し独自の視点でメッセージを発信し続けてきた。教育、保育、母子関連を中心に講演多数。
「育児」がアカデミズム主流へと傾く中、自著を通し、これまで誰も書かなかった、母へと移行する女性の内面を産む側の立場から記し、日本で始めて「子どもはみんなお母さんが大好き。安心してありのまま、そのままのあなたで母に。我が子の専門家はあなた」と提唱。独自の視点で論を展開し、母親の自信回復を願う育児の流れに先鞭をつける。
NHK教育テレビ番組「現代ジャーナル」での自詩の朗読の他、大阪ABCラジオ「ちょっといい話」などラジオ出演も多く、その著書は中学・高校で国語の入試問題に使用される。
著書「おばあちゃんの隣りで」は、NHKラジオ第一放送「私の本棚」にて13回に渡って紹介され、全国のリスナーから大きな反響を呼ぶ。
子育ての現場にいるお母さま方にとって共感を呼ぶ育児講演は、『明日からすぐに役立つ話』と定評がある。主著に「母の時間(とき)」(グランまま社)「浜文子の育母書」(メディカ出版)「子どもの心を開く大切な言葉」(河出書房新社)「祝・育児」(小学館)「母になったあなたに贈る言葉」(清流出版)「信じる力生きる力」(小学館クリエイティブ)「母であるという幸せ」(PHP出版)等他多数。


2012年5月31日木曜日

真弓定夫先生公開講座「自然流子育て」でライアーコンサートがあります。

http://www.youtube.com/watch?v=9O4SMw_8Om0&feature=related
自然流子育て

薬や注射に頼らず、食べ物と生活習慣を見直すことで、病気知らずの体をつくる、
自然な子育へのアドバイス

2012617日(日)13301630
受付:1300より
場所:大分文化会館 第2小ホール
入場料:1,000円(一家族)
講師:真弓定夫先生
1931年東京生まれ
      東京医科歯科大学を卒業後,佐々医院小児科医長を務めた後,1974年武蔵野市吉祥寺に
真弓小児科医院を開設『薬を出さない・注射をしない』自然流の子育てを提唱
2003年に社会文化功労章受賞
      <著書> 「自然流育児のすすめ」「自然にかえる子育て」「病気知らずの自然流育児」など多数

問い合わせ先:大分県助産師会総務担当   サエラ助産院・戸高佐枝子
電話:090-3075-1730
      申し込み:メール saera-midwife1188@silk.plala.or.jp  
        FAX 097-594-8360  
              ★住所・氏名・電話番号を記載して申し込んでください
★締め切り:65日まで   
先着200名です お早めに予約をして下さい
★託児はいたしません